公正な税制を求める市民連絡会

広がる貧困と格差の是正に向けて

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「防衛費」大拡張の白紙撤回を求め、社会保障の拡充により、誰もが人間らしく生きることができる社会への転換を求める

1 政府は、国家安全保障戦略を大きく転換し、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有、南西地域の防衛体制の強化など、防衛力を抜本的に強化することを決め、その具体化として、「防衛予算」を、GDP比2%以上へと倍増させる方針を決定した。そして、27年度までの5年間で、総額43兆円もの巨額の防衛予算を確保し、その裏付けとして、23年度からの5年間で計3兆円強の「歳出改革」を進めるとし、27年度以降は、毎年度4兆円の新たな追加的財源が必要になるため、4兆円うちの4分の3は「歳出改革」等によって、残りの4分の1を増税によって調達する方針を示している。

2 しかし、日本の租税収入は、大企業や富裕層を優遇した度重なる減税などにより、1990年をピークに減少し、歳出と租税収入の乖離が広がって「ワニの口」が開いたと言われる状態となり、歳入不足を国債の増発によって賄い続けてきた。このような税収調達能力の減少、公債の増大に加え、少子・高齢化の進展などによる社会保障給付費の「自然増」の拡大によって、財政赤字が大幅に拡大し、今や、国・地方合わせた長期債務残高は1200兆円を超え、そのGDP比は220%(22年度末)に達し、諸外国と比べても突出した状況にある。

 政府は、これまで、このような財政状況は、国家的な危機であることを強調し、医療費の自己負担増、年金や生活保護基準の引き下げなど、教育、子育て、障害、医療、介護、年金、生活保護など社会保障のあらゆる分野で削減を進めてきており、22年10月には75歳以上の高齢者の医療費の自己負担割合が1割から2割に引き上げられたばかりである。

 ところが、「防衛予算」だけ、あたかも、財政危機の埒外であり、政府が自由に使える別枠の財源があるかのごとく、国会の審議すら経ることなくいとも簡単に拡充を決定したことは、あまりに恣意的であり、ウクライナ危機に乗じて権力を濫用し、民主主義を否定し冒涜するものである。

3 憲法は、個人の尊厳に最高の価値を置き、誰もが等しく幸福を追求し、人間らしく生活できることを権利として保障している(憲法13条、25条)。

 ところが、税収調達能力の減少した不公正な税制と、社会保障の削減に継ぐ削減によって、税と社会保障の所得再分配は機能不全に陥り、貧困と格差の拡大に歯止めがかからない。労働規制の緩和により非正規雇用への置き換えが進み、収入が不安定で家族を持つことも困難な人が増えている。若者は、自己責任の名のもとに競争を強いられ、学費が高騰し、生まれた家の経済力によって人生を大きく左右される。高齢になるまで生き抜いても低年金・無年金で困窮し孤立する人が続出している。コロナ禍の急来により、格差は一層拡大し、他方で、非正規労働者、シングルマザー、若者、低年金・無年金の高齢者、在留資格を持たない外国人など、多くの人が生活に困窮し、物価高騰が困窮に追い打ちをかけ、社会保障の脆弱性が一層浮き彫りになったにもかかわらず、抜本的な対策は講じられないままであり、不公正で理不尽な社会構造が固定化し、社会は持続可能性の危機に瀕している。

 このような状況において、防衛予算の大幅増が推進されれば、今後、「歳出改革」の名のもとに、社会保障関係費がこれまで以上に切り詰められ、窮地へと追いやられる人々が一層増加することは火を見るより明らかであり、「国家」がつぶれる前に「人間」がつぶれていく。

 また、政府は、「防衛費」の抜本拡充の決定を先行させた上で、国民の目をそらすかのように、「異次元の少子化対策」を進める方針を公表した。しかし、財源の規模も裏付けも不明確であり、生活に困窮して追い詰められている人が増加している中で、「防衛費」拡充のための負担増を強いながら、子育て世帯など一部の人を限定的に支援するとすれば、対象にならない人からの反発をあおり、社会の分断・対立が深まる懸念もある。

4 幼児から大学までの教育費は3兆円、介護サービスの自己負担1.1兆円、医療費の患者負担は5兆円規模である。GDP1%相当の5兆円があるならば、大学までの教育費及び介護サービスの無償化、あるいは医療費の無償化を実現することができ、若者から高齢者までの幅広い層が支えられ、受益感を高め、社会の連帯を促進することもできる。

 教育の無償化の推進をはじめ、今こそ、誰もが人間らしく生きることができる社会への転換が必要であり、そのためには、教育、子育て、医療・介護などの人々の普遍的・基礎的ニーズの充足(普遍主義によるベーシック・サー ビスの拡充)、不公正な税制の是正、これらにより、税と社会保障による所得再分配機能を抜本的に強化する必要がある。

 今必要なのは「防衛費」の拡充ではなく社会保障の拡充だ。私たちは、安保政策の大転換と「防衛費」大拡張の白紙撤回を求め、所得再分配機能の抜本的強化により、貧困と格差をただし、自己責任社会を転換し、人々の協働と連帯により互いに支え合う公正な社会の実現を求める。

2023年(令和5年)1月29日

公正な税制を求める市民連絡会
共同代表 宇都宮健児 外

1/29集会「ベーシック・サービスで自己責任社会を転換する~スウェーデンにおける生活保障の仕組み、ヨーロッパの自治体のミュニシパリズム運動に学ぶ~」

 公正な税制を求める市民連絡会が設立して7年になります。

 この間、私たちは、誰もが人間らしく生きることができる社会への転換が必要であり、そのためには、教育、子育て、介護などの人々の普遍的・基礎的ニーズの充足(普遍主義によるベーシック・サー ビスの拡充)、不公正な税と社会保険料負担のあり方の是正、これらにより、税と社会保障による所得再分配機能を抜本的に強化して、自己責任社会から脱却すべきことなどを訴えてきました。

 しかし、コロナ禍で、貧困・格差は一層拡大し、社会の分断・対立が深刻化しています。また、政府は、防衛費を大幅に拡充し、2023年度からの5年間で総額43兆円とし、2027年度にはGDP比で2%とする方針を打ち出しています。
 このままでは、限られた予算の中で、社会保障費はこれまで以上に圧縮され、ベーシック・サービスの拡充にはほど遠く、貧困・格差や分断・対立の拡大等、危機は深まるばかりです。

 私たちは、今、大きな視点で、この国が中長期で進むべき方向を議論するとともに、私たちの足元の地域から、市民の連帯と協働の取組を拡げていくことが重要だと思います。

 そこで、本集会では、ベーシック・サービスが充実し、政府への信頼や人々の幸福度が高い、高福祉国家スウェーデンの生活保障の仕組みや、ヨーロッパ各地で拡がっている住民主体の街づくり(ミュニシパリズム)について報告いただき、自己責任社会転換の方策、地域からの取組について考えます。ぜひ、ご参加ください。

【日時・場所等】

日時:2023年1月29日(日)13時~16時30分(7周年記念集会)
   なお、集会に先立ち、12時40分~12時55分まで公正な税制を求める市民連絡会の総会を開催します。

場所:主婦会館プラザエフ8階 パンジー
   JR「四ツ谷駅」 麹町口 徒歩1分 アクセスはこちら

方式:リアル&オンライン(Zoomウェビナー)
*なお、会場でのリアル参加は、申込み先着40名とさせていただきます。

参加資格:どなたでも参加できます。下記からお申込みください。

【内容】

1 開会あいさつ
  宇都宮健児(弁護士。公正な税制を求める市民連絡会・共同代表)

2 税と社会保障に関する当事者報告
  大内裕和(奨学金問題対策全国会議共同代表・武蔵大学人文学部教授)
  山本淑子(全日本民主医療機関連合会 事務局次長)
  小泉なつみ(ライター・STOP!インボイス

3 基調講演
  伊集守直(横浜国立大学教授・スウェーデン財政研究)
  「スウェーデンにおける生活保障の仕組みに学ぶ~住民主体の自治体づくりを目指 して」

4 パネルディスカッション
  (パネリスト)
   伊集 守直(横浜国立大学教授・スウェーデン財政研究)
   内田 聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。杉並区民。岸本聡子杉並区長選対本部長)
   宇都宮健児(弁護士。公正な税制を求める市民連絡会・共同代表)
  (コーディネーター)
   猪股  正(弁護士。公正な税制を求める市民連絡会・事務局長)

5 閉会あいさつ

【お申込み】
 次のURLまたはQRコードからお申込みいただけます。
 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_DOgWZ76OR5S9OJex1-ZzBQ

(参加用QR)

 お申し込みご登録後参加に関する確認のメールが届きます。
 資料のダウンロード用のURLは申込み後、別途メールにてご案内します。

【参加費】
◎カンパ(1口1000円)のお願い
 ご参加は無料ですが、カンパにご協力いただけますと大変幸いです。
 (振込先)
  ゆうちょ銀行 公正な税制を求める市民連絡会(コウセイナゼイセイヲモトメルシミンレンラクカイ)
 * ゆうちょ銀行から振込:10160-446381
 * 他行から振込:ゼロイチハチ(018)支店 普通預金口座 0044638

【主催
 公正な税制を求める市民連絡会
 ◎お問い合わせ先:公正な税制を求める市民連絡会事務局
  〒330-0064  さいたま市浦和区岸町7-12-1 東和ビル4階 埼玉総合法律事務所
         弁護士 猪 股 正   電話048(862)0355 FAX048(866)0425

12/14 オンライン学習会「コロナ後の税制を考える PART2」三木義一(青山学院大学名誉教授) 公正な税制を求める市民連絡会主催

公正な税制を求める市民連絡会では、2020年9月、「コロナ後の税制を考える」というテーマで、三木義一さんを講師に迎え学習会を開催しました。それから2年が経過し、なおコロナ禍が続き、物価の高騰や急激な円安など、わが国を取り巻く生活環境は厳しさを増しています。
このような状況を受けて、今、必要とされる税制、財政について、前回に引き続いて、三木義さんにご講演いただきます。是非、ご参加ください。

テーマ:コロナ後の税制を考える PART2

日時:2022年12月14日(水)18時30分~20時30分
講師:三木義一氏(青山学院大学名誉教授)

(プロフィール)
1950年、東京都生まれ。 一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。法学博士、弁護士、政府税制調査会専門家委員会委員(2009-2013)、青山学院大学学長(2015~2019)。 民間税制調査会座長。

(開催および参加方法)
ZOOMウェビナーによる開催
次のURLまたはQRコードからお申込みいただけます。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_3WmZrd0uTJKyoA8sw-8Nmg

お申し込みご登録後参加に関する確認のメールが届きます。
資料のダウンロード用のURLは申込み後、別途メールにてご案内します。

(参加費)
◎カンパ(1口1000円)のお願い
本学習会のご参加は無料ですが、カンパにご協力いただけますと大変幸いです。

(振込先)
ゆうちょ銀行 公正な税制を求める市民連絡会
(コウセイナゼイセイヲモトメルシミンレンラクカイ)

◎ ゆうちょ銀行から振込:10160-446381
◎ 他行から振込:ゼロイチハチ(018)支店 普通預金口座 0044638

(主催)公正な税制を求める市民連絡会

(お問い合わせ先)
公正な税制を求める市民連絡会事務局
〒 330-0064 さいたま市浦和区岸町7-12-1 東和ビル4階 埼玉総合法律事務所
弁護士 猪股 正  電話 048(862)0355  FAX 048(866)0425

コロナ禍・物価高で導入強行? STOP!インボイス 11.1院内集会

 2023年10月から、消費税の適正な納税のためとして、インボイス制度の導入が予定されています。

インボイス制度の導入により、これまで、消費税の免税事業者であったフリーランスや個人事業者が、取引先から、適格請求書(インボイス)発行事業者になることを求められ、これに応じれば、免税とならずに生活が圧迫されることになり、他方、これを拒否すれば、仕事の発注を受けられないという、苦渋の選択を迫られ、コロナ禍と物価高騰により、大打撃を受けている人々が、インボイスの導入によって、さらなる生活困窮へと追い詰められる可能性があります。

その影響は、建設業の一人親方、独立系SE、フリーライター、個人タクシーの運転手、フードデリバリーの配達員、シルバー人材センターの会員等々、幅広い職業に及び、また、納税者の理解と納得も甚だ不十分であるといわざるを得ません。

本院内集会は、インボイス制度の問題点を確認し、当事者の声を国会に届け、来年10月のインボイス制度の導入の見直しを求めるものです。ぜひ、ご参加ください。

日時:2022年11月1日(火)15時30分~17時30分
場所:衆議院第1議員会館地下1階・第1会議室

方式:リアル&オンライン(Zoomウェビナー)

*なお、会場の定員が50人弱ですので、議員、メディアの方及び関係者を除き、なるべくオンラインにてご参加ください。

参加資格:無料。どなたでも参加できます。下記からお申込みください。

【内容】

第1部 インボイスQ&A 近藤克彦(税理士)&柴田武男(聖学院大学講師)
このまま2023年10月に導入が強行されたらどうなるか、Q&Aをはさみながら、みなさんと一緒に考えます。

第2部 当事者発言 タクシー・ドライバー、声優、俳優、ひとり親方、ライターの方…

*適宜、参加された国会議員の方に、ご発言いただきます。

【お申込み】 上記アドレスからご登録後、参加に関する確認メールが届きます

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_JxJ2SiThSOGcpZEiadJLLA

(参加用QR)

資料のダウンロード用の URLは、申込み後、別途メールにてご案内します。
*チラシのダウンロードは→ こちら
主催:公正な税制を求める市民連絡会
◎お問い合わせ先:公正な税制を求める市民連絡会事務局
〒330-0064  さいたま市浦和区岸町7-12-1 東和ビル4階
埼玉総合法律事務所  弁護士 猪 股 正
電話048(862)0355 FAX048(866)0425

 

10/16 格差と闘う!税制と社会保障-スウェーデンからの示唆-(第41回全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会in滋賀・第6分科会)

コロナ禍で一層拡大する格差。行き過ぎた格差は、社会の公正さを失わせ、分断を引き起こし、民主主義を蝕みます。高福祉国家スウェーデンのあり方も参考に、社会保険料、金融所得課税、消費税など、格差を拡大させる税と社会保障のあり方を変え、格差と闘う方策を考えます。

【日時】10月16日(日)午後2時~4時頃

第1部 基調講演 高端正幸さん (埼玉大学教授)

現在、日本の税・社会保険料負担のあり方が問われていますが、社会保障改革は何を目指すべきか、脱自己責任主義、民主主義と信頼などの観点から論じていただきます。

第2部 伊集守直 さん(横浜国立大学教授・財政学・スウェーデン財政研究)

ミニ報告 「なぜ、スウェーデンは、高福祉国家たりえるのか。」

第3部 フリートーク&会場質問 

高端正幸さん&伊集守直さんに、これからの日本の社会保障制度と税制のあり方について語っていただきます。

 

主管:公正な税制を求める市民連絡会

「第41回全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会in滋賀」のご案内です。

(どなたでも参加できます。転送・拡散歓迎)

◆詳細は、下記のホームページをご覧ください。

https://cresara-event.jimdofree.com/

 

◆参加申込は、下記のフォームからお申し込みください。

https://forms.gle/MxLHKp2K6SBGQp3H8

 

(講師プロフィール)

高端 正幸(たかはし まさゆき) 埼玉大学人文社会科学研究科准教授

東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学、横浜国立大学)。新潟県立大学国際地域学部准教授等をへて、2015年より現職。主著に『財政学の扉をひらく』(共著、有斐閣、2020年)、『福祉は誰のために―ソーシャルワークの未来図』(共著、へるす出版、2019年)、『福祉財政』(共編著、ミネルヴァ書房、2018年)など。

伊集守直(いじゅう もりなお) 横浜国立大学経済学部 教授

東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。修士(経済学)。静岡県立大学経営情報学部講師を経て、2011年横浜国立大学経済学部准教授、2018年より現職。著書に、『財政赤字の国際比較』(分担執筆、岩波書店、2016年)、『地方財政・公会計制度の国際比較』(分担執筆、日本経済評論社、2016年)など。翻訳書に、『幼児から民主主義』(新評論、2021年)

 

お問い合わせ 公正な税制を求める市民連絡会事務局
〒 330-0064 さいたま市浦和区岸町7—12—1 東和ビル4階  埼玉総合法律事務所
弁護士  猪股 正  TEL 048(862)0355/FAX 048(866)0425

【動画】醍醐 聡東京大学名誉教授/「富裕税」について考える-今必要な税制改革とは何か-(2022/9/1 公正な税制を求める市民連絡会 連続オンライン学習会)

「富裕税」について考える-今必要な税制改革とは何か-(公正な税制を求める市民連絡会 連続オンライン学習会)
講師:醍醐 聡 東京大学名誉教授
日時:2022年9月1日(木)18時30分から20時30分実施
主催:公正な税制を求める市民連絡会
こちらから、視聴いただくことができます。
コロナ禍が長期化する中で、困窮世帯の生活支援、休業休職の補償に必要な財源を確保することが急務となっています。消費税は低所得者に厳しい逆進性が高く増税は困難のため、財政需要を満たす安定的な財源として、留保利益課税(対法人)と富裕税(対個人)が必要という意見もあります。
本学習会では、会計学者の醍醐聡東大名誉教授をお迎えして、富裕税創設の根拠を租税論から解説いただき、今必要な税制改革はどうあるべきかを考えます。

9/1(木)18:30~「富裕税」について考える-今必要な税制改革とは何か-(公正な税制を求める市民連絡会 連続オンライン学習会)

講師:醍醐 聡東京大学名誉教授
日時:2022年9月1日(木)18時30分から20時30分
方式:オンライン(Zoomウェビナー)
参加資格:どなたでも参加できます。下記からお申込みください。

コロナ禍が長期化する中で、困窮世帯の生活支援、休業休職の補償に必要な財源を確保することが急務となっています。消費税は低所得者に厳しい逆進性が高く増税は困難のため、財政需要を満たす安定的な財源として、留保利益課税(対法人)と富裕税(対個人)が必要という意見もあります。
本学習会では、会計学者の醍醐聡東大名誉教授をお迎えして、富裕税創設の根拠を租税論から解説いただき、今必要な税制改革はどうあるべきかを考えます。
是非ご参加ください。

お申し込み https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_DIj0dwmPQ2WdmlhQLRicUg
上記アドレス、または右下のQRコードからご登録後、参加に関する確認メールが届きます。
資料のダウンロード用の URLは、申込み後、別途メールにてご案内します。

登録用QRコード

参加費  1000円(生活にお困りの方は参加費なしでご参加ください。)
■振込先 ゆうちょ銀行  ■口座名義 公正な税制を求める市民連絡会
■ゆうちょ銀行からの振込は 10160-446381
■他行からの振込は ゼロイチハチ(018)支店 普通預金口座 0044638

講師プロフィール
1946年兵庫県生まれ。1970年東京大学経済学部卒業。名古屋市立大学・京都大学助教授、東京大学経済学部教授を経て、現在東京大学名誉教授。著書に『日本の企業会計』(東京大学出版会1990年)、『自治体財政の会計学』(編著、新世社2000年)、『会計学講義』第4版(東京大学出版会2008年)、『消費増税の大罪』(柏書房2012年)など。

主催公正な税制を求める市民連絡会

お問い合わせ 公正な税制を求める市民連絡会事務局
〒 330-0064 さいたま市浦和区岸町7—12—1 東和ビル4階  埼玉総合法律事務所
弁護士  猪股 正  TEL 048(862)0355/FAX 048(866)0425

「インボイス制度導入に関する質問書」 公正な税制を求める市民連絡会

公正な税制を求める市民連絡会は、政府に対し、2022年8月8日、衆議院第2議員会館内にて、「インボイス制度に関する質問書」を提出しました。内容は以下のとおりです。

「インボイス制度導入に関する質問書」

 私たち公正な税制を求める市民連絡会は、公正な税制により社会保障を充実させ、貧困と格差を是正することを目的として、2015年5月に設立された市民団体です。
さて、2023年10月1日からインボイス制度の導入が予定されていますが、現状では、納税者の多くが、インボイス制度を理解しておらず、納得もしているとは到底言えない状況にあると言わざるを得ません。私たちは、このままインボイス制度がスタートすることを強く危惧しています。
そこで、納税者が理解し納得できる税制を実現していくため、インボイス制度に関する以下の疑問点にお答えいただきたく、申入れさせていただく次第です。

1 導入時期について
物価高騰とコロナ禍が同時進行している状況下において、小規模・零細事業者に対しては特段の配慮が求められていると思います。このまま、来年10月という時期に、インボイス制度を導入することに問題はないでしょうか。また、来年10月に導入すべき積極的理由があれば教えてください。

2 小規模・零細事業者が不利益を被る可能性と対応策について
2022年1月19日、関係各省庁より「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」が発出され、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者と取引を行う事業者が、その取引条件を見直す場合に、優越的地位の濫用として問題となるおそれがある行為類型と考え方が示されました。これにより、インボイス制度の実施を契機とした優越的地位の濫用については一定の歯止めがかけられる可能性があります。
しかし、公正取引委員会が独禁法違反で措置を行ったのは5年間でわずか5件にとどまり実効性を期待できない だけでなく、独禁法上問題になるような優越的地位の濫用はなくとも、インボイス制度導入を期に小規模・零細事業者が取引から排除されるなどの不利益を被る(例えば、インボイス制度の実施により課税事業者となり、税込価格の値上げをせざるを得なくなった事業者が、競合他社との料金比較によって、取引先から値引きを要請され、応じなければ取引から排除されるなど)可能性がありますが、こうした不利益に対する対策が講じられていないのではないかという懸念があります。
小規模・零細事業者が事実上値引きを強いられたり、市場から排除される可能性については、どのように考えていますか。また、このような場合に、小規模・零細事業者の不利益を回避するための対応策については、どのように考えていますか?

3 税負担の水平的公平性の毀損と対応策について
インボイス制度が導入されても、対消費者取引を行う免税事業者は免税事業者を維持する可能性が高く、事業者免税点制度の公平性が保たれないという問題が生じると思われます 。また給与所得者と個人請負型就業者の間においても、インボイスの導入によって平均実効税率において約4.5%不利になることも明らかになっています 。
このようにインボイス制度は、取引形態や就労形態によって税負担の公平性を毀損するおそれがあり、税制の水平的公平性の観点から問題はないでしょうか。また、このような問題点について、是正措置を検討されているのであれば、その内容を明らかにしてください。

4 簡易課税制度の事後的適用による救済措置の導入等について
2021年11月10日に発表された日本商工会議所の調査結果では、約6割の事業者がインボイス制度の導入に向けて特段の準備を行っていないとされ、またインボイス制度導入に向けた課題として「そもそも制度が複雑でよく分からない」という回答が4割超を占めています 。
簡易課税制度の事前届出などの諸制度を知らないままインボイス登録をしてしまった場合、業種によっては極めて多額の納税をしなくてはならなくなり、果ては納税者の生活そのものが脅かされる恐れがあります。
こうした事態を避けるため、インボイス制度の導入にあたっては、①確定申告時に、簡易課税制度の選択適用を認めること、②簡易課税制度の2年縛りのルールを撤廃するとなどの措置が考えられます が、このような簡易課税制度の事後的適用による救済措置を導入する予定はありますか。別の救済策を検討しているのであれば、その内容を明らかにしてください。

5 帳簿作成の事務負担と対応策について
インボイス制度の導入後は、帳簿を作成するにあたって、請求書等証憑の1枚1枚について「購入した商品・サービスが、標準税率か、軽減税率か」を確認するだけでなく、「登録番号の記載の有無」をも確認し、ない場合は「経過措置の適用を受ける」旨についても帳簿に記載しなければならなくなります。
このように、インボイス制度の導入により、帳簿作成にあたって従来よりも極めて複雑となり、膨大な時間を要することになり、また税理士等に帳簿作成を外注するにしても、相応の費用が掛かることになります。
インボイス制度の導入によって、過重な事務負担を生じさせるという問題点はないでしょうか。帳簿作成の事務負担の軽減のために、どのような措置を検討していますか。

6 個人情報の保護について
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトでは、登録番号を入力すると、法人の場合は「法人名および本店又は主たる事務所の所在地」が、個人事業者の場合は「本名」が公表されます。
個人情報である本名の公表を望まない個人事業者も少なくなく、「本名」が、請求書に記載された住所や電話番号などの他の情報とともにSNSで拡散される恐れもあります 。
インボイス制度の導入によるプライバシー侵害の危険性について、どのように考えていますか。個人情報保護のため、どのような対応を考えていますか。

以上

インボイス制度の拙速な導入に反対する声明(公正な税制を求める市民連絡会)

公正な税制を求める市民連絡会は、2022年8月8日、「インボイス制度の拙速な導入に反対する声明」を公表しました。内容は、以下のとおりです。

インボイス制度の拙速な導入に反対する声明

2023年10月から、消費税の適正な納税のためとして、インボイス制度の導入が予定されている。
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除(事業者が消費税の納付税額を算出する際、売上の消費税から仕入や経費の支払等のために支払った消費税を差し引くこと)にあたって適格請求書(インボイス)の保存が必要とされる仕組である。そしてこの適格請求書を発行するためには、適格請求書発行事業者の登録をしなければならないが、この登録ができるのは消費税の課税事業者に限られている。

そのため、消費税の免税事業者(前々年度の課税売上高が1000万円以下の事業者が対象)が、事実上、取引から排除されるなどの不利益を被る可能性がある。
例えば、イラストの仕事をフリーランスに発注する出版社が、仕入税額控除を受けるためには、適格請求書の保存が必要となることから、フリーランスに対し、適格請求書発行事業者になることを発注の条件とするなどの例が考えられ、すでに、このような事態が実際に生じている。条件を提示されたフリーランスとしては、仕事を得るために適格請求書発行事業者となれば、免税とならずに生活が圧迫され、かつ、納税のための重い事務負担をも負うこととなり、逆に、免税事業者であり続ける選択をすれば仕事の発注を受けられないこととなり、苦渋の選択を迫られることになる。
 その影響は、建設業の一人親方、独立系SE、フリーライター、個人タクシーの運転手、フードデリバリーの配達員、シルバー人材センターの会員等々、幅広い職業に及び、その中には低所得でやりくりをしてきた者も多い。コロナ禍の到来により、フリーランスや個人事業者が大打撃を受けるとともに、物価高騰が生活を圧迫している中で、インボイス制度の導入が、追い打ちをかけ、さらなる生活困窮へと追い詰められる者が増大する可能性がある。

 加えて、インボイス制度の仕組は複雑であり、理解が追いついていない事業者も多く、2022年5月末日現在、適格請求書発行事業者の登録は約51万件にとどまっており、コロナ禍でフリーランス人口が500万人以上も増加したことも考慮すると、制度の周知方法、周知期間も不十分である。

このまま来年10月の実施を強行することは、上記のとおり、立場の弱い零細事業者やフリーランスに過大な負担を強い生活の困窮へと追い込む可能性があるとともに、納税者の理解と納得も甚だ不十分であることから、あまりに拙速であると言わざるを得ない。
当市民連絡会は、インボイス制度の来年10月の導入に反対するとともに、政府に対し、小規模・零細事業者が不利益を被る可能性、税負担の水平的公平性の毀損、帳簿作成の事務負担などの重要課題について、さらなる検討と説明・議論の場を設けることを求めるものである。

2022年8月8日
公正な税制を求める市民連絡会
共同代表 宇都宮健児