<集計結果>【衆院選直前】「税制と社会保障に関する公開質問」に対する各党の回答

「税制と社会保障に関する公開質問」と各党の回答内容

                            2021年10月18日

公正な税制を求める市民連絡会

 

公正な税制を求める市民連絡会(https://tax-justice.com/)では、衆院選前のこの時期に、主要政党に対して、税制と社会保障、それと関わる貧困・格差の問題に関する公開質問を送付し、アンケート調査を実施しました。各政党よりご回答いただいた内容について、原文のまま掲載いたします。

調査期間 : 10/5~10/14

公開質問事項(アンケート)⇒ こちら(タウンロード)

アンケート送付政党(8政党) : 自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会、社会民主党、れいわ新選組

 

回答日 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10

(1)

Q10

(2)

Q10

(3)

自由民主党 10/12
公明党
立憲民主党 10/12
国民民主党 10/07 ②他
日本共産党 10/11

日本維新の会 10/14 他③
社会民主党 10/14

れいわ新選組 10/12

*上記一覧表中、「他」は、回答中「その他」が選択されている場合を指す。

参考 : 回答をいただけていない政党・会派の説明内容

① 公明党:「たくさんのアンケートが届き、順番に返している状況。今日中(10/12)は難しく、いつになるともお答えしかねる」とのこと。

 

1 格差の拡大への対応について

コロナ禍において、非正規労働者を中心に大きな打撃を受け、生活に困窮する人が増加する一方で、株価が30年ぶりに高値を更新するなど、格差が一層拡大していますが、格差の拡大に対し、どのように対応しますか。

① 富が富裕層から低所得層に徐々に滴り落ちるとするトリクルダウン仮説を支持して、富裕層減税などを検討する。

② 格差是正を重要課題として、大企業・富裕層増税を行い、低所得者層対策を積極的に行う。⇒立、共、社、れ

③ その他 ⇒自、国、維

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
格差是正は重要な課題であり税制のみならず政策総動員での対応が必要です。税制については経済社会の構造の変化をとらえながら、経済成長の実現と再分配機能の回復を図ることが必要です。

 

【立憲民主党】  

② 格差是正を重要課題として、大企業・富裕層増税を行い、低所得者層対策を積極的に行う。

 

【国民民主党】  

③ その他
経済財政の将来推計を踏まえ、法人課税、金融課税、富裕層課税も含め、財政の持続可能性を高めます。

 

【日本共産党】

② 格差是正を重要課題として、大企業・富裕層増税を行い、低所得者層対策を積極的に行う。
コロナ禍で国民の所得が低迷している中で、株価は急上昇し、大株主の試算は1年で2倍以上に増加した。アベノミクスの9年間で、「ビリオネア」と呼ばれる大富豪の資産は6兆円から24兆円に膨れ上がった。こうした富裕層への増税など、格差是正のための税制改革は世界の流れとなっており、日本でも今こそ実施すべきである。

 

【日本維新の会】 

③ その他
我が国はいまだ長期停滞の最中にあり、優先課題は小さなパイを分配することより、パイを増加させることにある。パイを大きくするための改革(行財政、規制、民営化)を断行する。 また「チャレンジのためのセーフティネット」構築に向けて、給付付き税額控除またはベーシックインカムを基軸とした分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進していく。

 

社会民主党】

② 格差是正を重要課題として、大企業・富裕層増税を行い、低所得者層対策を積極的に行う。
所得の少ない層と中小企業の経済を圧迫する消費税を3年間ゼロにします。財源はコロナ危機でも増え続ける大企業の内部留保金に課税します。あわせて、所得税の累進性の強化、大企業を優遇する法人税を見直し不公平な税制を是正します。

 

【れいわ新選組】 

② 格差是正を重要課題として、大企業・富裕層増税を行い、低所得者層対策を積極的に行う。
税の重要な機能の一つが格差の是正です。岸田新内閣が、これまでずっと必要と指摘されてきた、金融所得課税の「1億円の壁」について是正する姿勢を見せたことは遅きに失したと言えます。しかしながら、それ以外の富裕層や大企業に対する増税については踏み込みが全く不十分であると考えます。

 

 

2 財政赤字への対応について

コロナ禍で拡大した巨額の財政赤字については、今後どのように対応すべきだと考えますか。

(複数回答可)

① 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化する方針を維持すべきである。⇒自

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。⇒立、国、共、維、社、れ

③ 社会保障の削減によって対応する必要がある。

④ 社会保障の削減には反対である。⇒共、社、れ

⑤ その他 ⇒国

  その理由等(自由記載欄)

(注:プライマリーバランス(PB)とは、社会保障や公共事業をはじめ様々な行政サービスを提供するための経費(政策的経費)を、税収等で賄えているかどうかを示す指標です。現在、日本のPBは赤字であり、政策的経費を借金で賄っている状況です。)

 

【自由民主党】 

① 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化する方針を維持すべきである。
高齢化・人口減少といった構造的課題を乗り越えるため、「経済再生なくして財政健全化なし」の考えに立ち、経済の持続的成長を実現して国民の将来不安を軽減します。

 

【立憲民主党】  

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。

 

【国民民主党】 

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。

⑤ その他
経済財政の将来推計を客観的に行い、統計をチェックする「経済財政等将来推計委員会」を国会に設置します。
推計を踏まえ、法人課税、金融課税、富裕層課税も含め、財政の持続可能性を高めます。

 

【日本共産党】

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。

④ 社会保障の削減には反対である。
コロナ収束までの万全の対策と、その間の国民への補償、コロナで落ち込んだ景気の回復、コロナで浮き彫りになった医療・保健態勢の脆弱さの克服など、いまどうしても必要な課題を進めるためには、2025年度までに基礎的財政収支を黒字化するなどという方針が不可能であることは明らかである。財政の健全化は社会保障の削減ではなく、大企業・富裕層優遇税制の是正や、軍事費などの歳出の浪費の削減によって行うべきである。

 

【日本維新の会】 

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。
コロナ禍により赤字幅が拡大することが確実な基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、現実的な目標期限を再設定したうえで、経済成長/歳出削減/歳入改革のバランスの取れた工程表を作成し、増税のみに頼らない成長重視の財政再建を行う。

 

【社会民主党】

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。

④ 社会保障の削減には反対である。
コロナ危機は日本全土を襲った激甚災害に等しいものです。暮らし命を守るために必要な所へ財源を投入します。基礎的財政収支の安定化は重要な課題です。コロナ危機によって顕在化した社会保障制度の歪みを是正し抜本的に見直します。

 

【れいわ新選組】

② 基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的な計画を立てるべきである。

④ 社会保障の削減には反対である。
PB黒字化目標については与野党の第1党ともに一旦凍結する機運が生まれているのは評価したいですが、それが暫定的な凍結であることは不十分です。諸外国でも実施していないPB黒字化目標は廃止すべきです。社会保障などの公的給付については、日本が自国通貨建ての国債発行を行っている以上、政府に給付を続ける意思さえあれば、給付制度を支える余裕は常にあります。重要なのは、国民が必要とする実物的な財(モノ)やサービスを生み出すための経済の長期的能力(供給能力)です。

 

 

3 所得税の累進税率について

所得税の累進税率について、どのように考えていますか。

① 現状維持

② 強化し増税する ⇒立、共、社、れ

③ 弱めて減税する ⇒維

④ その他 ⇒自、国


                                

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

④ その他 
働き方の多様化を含む経済社会の構造変化への対応や所得再分配機能の回復の観点からの個人所得課税の検討を進めます。

 

【立憲民主党】  

② 強化し増税する

 

【国民民主党】  

④ その他
給与と所得税減税を組み合わせた新制度「給付付き税額控除」を導入し、尊厳ある生活を支える基礎的所得を保証します。

 

【日本共産党】

② 強化し増税する
所得税の最高税率は、かつては75%だったが、その後累次にわたって引き下げられてきており、現在は45%、住民税をあわせても55%にすぎない。少なくとも、消費税導入時から90年代に実施されていた、住民税をあわせて65%の水準に戻すべきである。

 

【日本維新の会】

③ 弱めて減税する
成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現する。
フロー大減税を行うと同時に、ストック課税はそのあり方を見直すなど、「フローからストックへ」を基軸とした税体系全体における抜本的な改革を行う

 

【社会民主党】

② 強化し増税する
この間、ゆるめられてきた所得税の累進率を元に戻し公平な税制に是正します。

 

【れいわ新選組】

② 強化し増税する
所得税の累進度については1974年当時の累進度まで高める(低所得者層は2015年からの最低5%に維持)により、税収は11兆870億円の増収が確保できるという試算があります。(税理士浦野広明氏らの試算)格差是正のために、法人税の累進化に加えて、所得税制の累進強化が重要です。

 

 

4 金融所得課税について

わが国の所得税は所得1億円を超えると逆に負担率が低くなる逆累進となっています。それは配当やキャピタルゲインなど金融所得が他の所得と分離され、低税率が適用されているためだと考えられます。このような金融所得課税のあり方について、どのように対応しますか。

① 株式の配当などは株価維持、国際競争力の観点から優遇税制が必要。場合によってはさらに優遇措置を積極的に検討する。

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。⇒立、国、共、社、れ

③ 現状維持

④ その他 ⇒自、維

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

④ その他
金融所得課税については、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討すべきと考えます。

 

【立憲民主党】  

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。

 

【国民民主党】  

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。
所得再分配機能回復の観点から、金融所得課税の強化を行います。

 

【日本共産党】

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。
日本共産党は、所得が1億円を超えると逆に負担率が低くなる事実を国会で最初に指摘(08年3月14日、大門実紀史議員)した党として、金融所得課税の改善を一貫して要求してきた。日本では、株式譲渡所得への税率が欧米より低く、そのアメリカではさらに5%の税率引き上げが検討されているなど、日本の「大株主天国」ぶりが際立っており、税率の引き上げや、株式配当は総合課税にするなど、改革が急務である

 

【日本維新の会】

④ その他
高額所得者ほど総所得に占める金融所得の割合が高く、所得税負担率に逆累進性が働いている現状を改善し、総合課税化とフラットタッ クス導入を含む税制改革により課税の適正化・格差是正を図る。

 

【社会民主党】

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。
金融所得課税も含めた総合課税を行い、累進課税の対象にすべきです。

 

【れいわ新選組】

② 総合課税化または適用税率の引き上げ等により、金融所得の優遇税制を是正し、実質的な増税措置を積極的に検討する。
金融所得の優遇税制の是正(総合課税化)は長年の懸案でした。珍しく与野党が一致する税制改正の論点であり、すぐに実現すべきであると考えますが、岸田首相がトーンダウンしたことは残念です。

 

 

5 法人税率について

これまでの累次の税率引下げによって、法人税の税収は減り続けています。同様に引き下げてきたアメリカ、イギリスは、方針を転換し、法人税の税率を引き上げる方向に転じています。日本は、どのように対応すべきでしょうか。

① さらなる税率引下げを行う。⇒維

② 税率を引き上げる。⇒共

③ 法人税にも利益に応じて高い税率を適用する累進課税を取り入れる。⇒立、社、れ

④ 現状維持

⑤ その他 ⇒自、国

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

⑤ その他
法人税率の水準も含め、今後の法人税のあり方については、経済社会情勢の変化やグローバル・ミニマム課税の導入などの国際的な動向等、様々な観点から議論すべきと考えます。

 

【立憲民主党】  

③ 法人税にも利益に応じて高い税率を適用する累進課税を取り入れる。

 

【国民民主党】  

⑤ その他
「GAFA」と呼ばれる巨大 IT 企業などがビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。

 

【日本共産党】

② 税率を引き上げる。
これまで、欧米各国でも法人税率の引き下げが行われてきたが、その流れは転換してきている。アメリカでは、トランプ前政権が21%まで引き下げてしまった法人税率について、バイデン政権は28%に引き上げることを提案している。日本でも安倍政権が数次にわたる引下げを行う以前には法人税率は25.5%、復興特別法人税を含めれば28%の水準だった。少なくとも、この水準に戻すべきである。

 

【日本維新の会】

① さらなる税率引下げを行う。
成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現する。
既得権益化した複雑な租税特別措置法を廃止し、「簡素、公平、活力」の税制へと転換を図る。

 

【社会民主党】

③ 法人税にも利益に応じて高い税率を適用する累進課税を取り入れる。
大企業を優遇する法人税を公平に是正します。

 

【れいわ新選組】

③ 法人税にも利益に応じて高い税率を適用する累進課税を取り入れる。
法人税を引き下げることにより、恩恵が社会に滴り落ちる「トリクルダウン効果」に対してはバイデン大統領自身が批判しています。レーガン政権以来の新自由主義の発想には根本的な見直しが必要です。岸田政権も「新自由主義見直し」を掲げますが、まだ本気度が足りません。
重要なのが大企業にも応分の負担を求めることです。法人税も利益に応じた累進課税であり、この税制の導入は「景気の自動安定装置(ビルトインスタビライザー)」として景気が良くなりすぎた時のインフレ抑制にも効果的です。

 

 

6 法人税の優遇措置の見直しと、課税ベースの拡大について

法人税については、大企業であるにもかかわらず法人税を納税していない企業が少なくなく、また、巨大企業の実質的な法人税負担率が中小企業より低い事態が生じています。また、様々な特別措置によって、法人の実質的な税負担率は10%程度にしかなっていないとの指摘があります。

法人税について、受取配当金の益金不算入制度の見直し、租税特別措置の廃止・縮小等により、法人税の課税ベースを拡大する必要があると思いますか。

 

① 思う ⇒共、社、れ

② 思わない

③ その他 ⇒自。 立、国                             

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
受取配当金の益金不算入制度については、二重課税を避けるための国際的に一般的な制度であること、また、租税特別措置については、必要性や政策効果をよく見極めた上で、真に必要なものに限定していくこと等、様々な観点から議論すべきと考えます。

 

【立憲民主党】  

③ その他
政策減税などの租税特別措置は必要性・合理性を厳しく再検討し、見直すべき。

 

【国民民主党】  

③ その他
租税特別措置等については、「租特透明化法」による国会報告に基づき、効果が不明なもの、役割を終えたもの等は廃止し、真に必要なものは恒久措置へ切り替えます。

 

【日本共産党】

① 思う
法人税制には、受取配当益金不算入制度や外国子会社配当益金不算入制度、連結納税制度、研究開発減税などの各種の租税特別措置など、もっぱら大企業だけが利用できるような優遇措置が多数あって、この結果、大企業の実質法人税負担率は中小企業をも下回るような状況となっている。税の公平性確保のためにも、社会保障などの財源確保のためにも、こうした優遇措置を改めるべきである。

 

【日本維新の会】

③ その他
既得権益化した複雑な租税特別措置法を廃止し、「簡素、公平、活力」の税制へと転換を図る。

 

【社会民主党】

① 思う
受取配当金の益金不算入制度の見直しなど、法人税の課税べ―スを拡大する必要があると考えます。

 

【れいわ新選組】

① 思う
大企業の優遇税制となっている租税特別措置については、ゼロベースで見直して行きます。グリーン・ニューディール、格差是正に資するなど本当に必要なものだけを残していきます。

 

 

7 消費税について

消費税は累次の税率引き上げによって、最大の税収項目となり、税収に占める比率は35%を超えています。税収確保の中心をもっぱら消費税に求めるこれまでの政府の方針には限界も指摘されています。消費税の増減税等について、どのように対応しますか。

① 現状維持

② 増税する

③ 減税する ⇒共

④ 時限的に減税する ⇒立、国、維、社

⑤ 廃止する ⇒れ

⑥ その他 ⇒自                               

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

⑥ その他
消費税については、社会保障の財源として今後も重要な役割を果たすべきものと考えていますが、将来の消費税率の在り方について、具体的な検討はしていません。
また、消費税は、全世代型社会保障制度を支える重要な財源であり、消費税率を引き下げることは考えていません。

 

【立憲民主党】  

④ 時限的に減税する

 

【国民民主党】  

④ 時限的に減税する
コロナ禍の影響が収束し、経済が回復するまでの間、消費税減税(10%→5%)を行います。

 

【日本共産党】

③ 減税する
消費税は将来的には廃止をめざし、当面ただちに税率を5%に引き下げる。コロナ対策として、世界の62か国が付加価値税の減税を実施または予定しており、コロナから暮らしと営業をまもるためにも、税の不公平をただすためにも、消費税の減税に転ずるべきである。なお、23年から予定されているインボイスの導入は、小規模事業者やフリーランスに新たな負担を押し付けるものであり、中止すべきである。

 

【日本維新の会】

④ 時限的に減税する
長期低迷とコロナ禍を打破するため、 2年(目安)に期間を限定した消費税 5%への引き下げを断行する。引き下げ期間終了については経済状況を考慮し、将来的な地方税化と税制改革を合わせて検討する。

 

【社会民主党】

④ 時限的に減税する
消費税を3年間ゼロにします。企業の内部留保(利益剰余金)へ臨時的に課税し、財源の確保を求めます。

 

【れいわ新選組】

⑤ 廃止する
消費税は低所得者層にとっては、一ヶ月分の所得が自動的に奪われるという不公平税制であり、これまで法人税減税などを「穴埋めする形」で増税されてきました。私たちが参議院にお願いした試算では、消費税をゼロにした場合、1人当たり賃金も上がります。低所得者層の日々の消費がしっかり下支えされます。消費のエンジンが点火されます。

 

 

8 富裕税の創設について

コロナ禍で富裕者はますます富裕になり、著しく格差が拡大しています。所得に対する課税の補完として、一定以上の資産がある富裕者に対し新たな税目で課税する富裕税の創設についてどう考えますか。

① 賛成 ⇒共、社、れ

② 反対 ⇒自

③ その他 ⇒立、国、維

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

② 反対
いわゆる「富裕税」については、資産の把握の問題に加え、資産の評価の問題など、富裕税を導入した諸外国でも、多くの問題点が指摘されているほか、日本でも、昭和25年(1950年)に導入したものの、3年で廃止されたものと承知しています。

 

【立憲民主党】  

③ その他 
現時点では検討していない。

 

【国民民主党】  

③ その他
経済財政の将来推計を踏まえ、法人課税、金融課税、富裕層課税も含め、財政の持続可能性を高めます。

 

【日本共産党】

① 賛成
日本の大富豪の資産が9年間で4倍になるなど、格差が拡大しているが、この資産の多くは株式であり、所得税を強化しただけでは、株式が譲渡されるまでは増税にならない。所得税を補完するため、一定以上の資産がある富裕層に対して、低い税率で毎年課税する形で、富裕税を創設すべきである。

 

【日本維新の会】 

③ その他
高額所得者ほど総所得に占める金融所得の割合が高く、所得税負担率に逆累進性が働いている現状を改善し、総合課税化とフラットタックス導入を含む税制改革により課税の適正化・格差是正を図る。

 

社会民主党】

① 賛成
金融課税、法人税優遇税制の見直しなど税制の改革を行い公平な制度にします。

 

【れいわ新選組】

① 賛成
相続による格差固定の是正方法を研究するほか、不況時には高額資産への資産課税を実施することで富裕層に支出を促すやり方が適切と考えます。

 

 

9 金融取引税について

  コロナ禍によって経済が打撃を受けている中で、株式など金融取引は活発化し、株価は急騰しています。利益の有無にかかわらず、株式など金融「取引」に低率の税率で課税し税収を確保するため、金融取引税を導入することについてどう考えますか。

① 賛成 ⇒社、れ

② 反対 ⇒維

③ その他 ⇒自、立、国、共                             

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
お尋ねの「金融取引税」について詳細が不明ですが、新たな税の導入の検討に当たっては、必要性や合理性があるかといった課税根拠や、公平で効率的な課税が可能か、などの観点から、丁寧に検討する必要があるものと考えています。

 

【立憲民主党】  

③ その他
現時点では検討していない。

 

【国民民主党】  

③ その他
国際金融取引に係る課税制度(いわゆる国際連帯税)について検討を行います。

 

【日本共産党】

③ その他
株式については、当面、配当および譲渡所得への課税の強化を主張していることもあり、「取引」への課税の復活は想定していないが、各国の動向をみながら今後検討する。為替先物取引などについては、過剰な投機的行動を抑制する意味を含めて、取引税を導入すべきだと考える。

 

【日本維新の会】 

② 反対

 

【社会民主党】

① 賛成
EU、米国等でも導入の動きが進んでおり、日本も前向きに検討すべきでしょう。投資の抑制につながらないよう税率については各国の状況をふまえて判断すべきでしょう。

 

【れいわ新選組】

① 賛成
金融取引税の考え方は、30年代のケインズにさかのぼり、70年代にイェール大学のトービン教授によって広く知られるようになったものです。金融市場の規制だけではなくこの低率の金融取引税は、税収だけではなく、金融市場の安定化のためにも必要であると考えますが、金融取引が国境をまたぐものであることから、制度設計については世界各国の専門家を入れて、詳細はまだ議論すべき点があると考えます。

 

 

10 国際課税について

目次

⑴ 国際的な法人課税の新ルールについて

OECD加盟国を含む130数か国で進められている国際的な法人課税の新しいルールは、①法人税の最低税率を「少なくとも15%」に設定すること、②GAFAMなどの巨大多国籍企業に対して、利益率(売上に占める利益の割合)が10%を超える部分について、その20~30%を、売上がある国に配分する、という内容で合意されようとしています。

これらの合意内容をどう評価しますか。十分だと思いますか、それとも不十分だと思いますか。

① 十分である ⇒社

② 不十分である ⇒立、共、れ

③ その他 ⇒自、国、維                                

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
今般、100年来続いてきた国際課税原則の見直しがグローバルな枠組みの下で合意されたことを高く評価します。今後、引き続き、合意内容の実施に向け、各国と協調しつつ取り組むことが重要だと考えています。

 

【立憲民主党】  

② 不十分である
国際的な法人税の最低税率についての合意自体は、画期的で、評価されるべきものと考えるが、最近の報道によれば、「少なくとも」の文言が削除され、今後最低税率が 15%以上に引き上げられる可能性が減退したことなども踏まえると、必ずしも十分とは言えない。

 

【国民民主党】  

 ③ その他
「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業などがビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。

 

【日本共産党】

② 不十分である
タックスヘイブンなどへの進出による税逃れについて、「15%」という最低税率が設けられることは一歩前進であるが、日本やアメリカの法定税率よりかなり低い「15%」では、税逃れを完全には抑えられない。

 

【日本維新の会】

③ その他
OECD 加盟国など 136 の国と地域が最終合意に達している。日本は、インターネットを通じて海外企業のサービスを比較的多く利用していることから税収が増える可能性がある。いずれにしても今後の対応を注視していく。

 

【社会民主党】

① 十分である
法人税を国際的に基準化することで、企業が法人税率の低い国・地域へ流出するタックスヘイブンを防ぐことが期待できます。また、GAFAMのようなグローバル企業に対して売上国へ利益配分をルール化することは、グローバル企業への富の集中を防ぐことが期待できます。

 

【れいわ新選組】

② 不十分である
法人税の引き下げ競争に歯止めをかけようとする機運が国際的に高まったことは重要な動きであると考えます。15%という最低税率については、アイルランドなどが12.5%という以上に低い税率で高率の法人税率を回避しようとする大企業にタックスヘイブンとして利用されてきたことを考えれば、一定の評価をしますが、当初の議論では21%となっていたことを考えると不十分であると考えます。

 

⑵ デジタル課税について

イギリス、フランスなど、すでに多くの国は、売上に課税する独自のデジタル・サービス税を実施しようとしています。日本としても独自のデジタル課税を導入することについて賛成ですか、それとも反対ですか。

① 賛成 ⇒立、社

② 反対

③ その他 ⇒自、国、共、維、れ                             

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
今回の国際課税に係る合意では、第1の柱の導入に伴い、各国が独自に導入しているデジタル・サービス税等を廃止することとされています。日本としては、今回の合意に従い、第1の柱の早期実施に向けて取り組むことが重要と考えています。

 

【立憲民主党】  

① 賛成

 

【国民民主党】  

③ その他
GAFA等の巨大IT企業などが、ビジネスを展開し利益を上げている国でほとんど納税していない実態に対し、国際的な議論が進んでいる状況を踏まえ、デジタル課税の枠組みづくりを進めます。

 

【日本共産党】

③ その他
OECDの協議でデジタル課税についての合意ができた段階であり、対象企業が少数に絞り込まれたことなどの不十分点はあるが、これまでに比べれば一歩前進であり、この時点であえて独自課税を打ち出すことには検討が必要。さらなる課税強化を国際合意とするよう努力していく。

 

【日本維新の会】 

③ その他
経済協力開発機構(OECD)はデジタル課税など新たな国際課税ルールの素案を公表しているが、新ルールの導入を巡っては日本がリードしてきた。国ごとにデジタル課税が乱立すると企業活動に混乱が生じる。以上を踏まえた検討を要する。

 

【社会民主党】

① 賛成
現在グローバル企業によるネットサービスの売上は非常に拡大しています。現行の税制度では課税が難しく実態に追いついていません。状況や実態を分析し検討していきます。

 

【れいわ新選組】

③ その他
現在、国際的に議論が行われている、儲かりすぎている国境をまたぐグローバル企業「GAFA」に対して課税する国際的枠組みの確立は国内の制度改正だけで完結させるのは難しいと思います。ただし、国際的合意が成立しない場合には独自の課税制度を検討する必要があります。

 

⑶ 国際課税と日本の役割について

 国際的な合意をまとめるために、日本はもっとリーダーシップを強めるべきという意見がありますが、賛成ですか、反対ですか。

① 賛成 ⇒立、国、共、維、社、れ

② 反対

③ その他 ⇒自                             

  その理由等(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

③ その他
日本は、国際的な租税回避への対策を議論するBEPSプロジェクトの立上げ時から10年近くにわたり、国際課税改革に関する議論を一貫して主導してきました。今後も引き続き、日本が国際的な議論に積極的に貢献していくべきだと考えています。

 

【立憲民主党】  

① 賛成

 

【国民民主党】  

① 賛成

 

【日本共産党】

① 賛成
日本企業の海外進出、国境を越えた取引が拡大する中で、国内の税制だけでは国民の暮らしを守ることはできなくなっており、国際的な対応がますます重要になっている。

 

【日本維新の会】 

① 賛成

 

【社会民主党】

① 賛成
国際社会での日本の存在感を増すためにも、リーダーシップを強めることは必要だと存じます。

 

【れいわ新選組】

① 賛成
おっしゃるとおりですが、まずは日本国内でこれまでの新自由主義的な経済・財政政策を総括し、国内における不公平税制を正すことが先決だと思います。

 

 

11 その他

その他、税制と社会保障、それと関わる貧困・格差の問題について、貴党において、重要であると考えられている政策、国民の理解を得たい政策等ございましたら、ご自由にご記載ください。

(自由記載欄)

 

【自由民主党】 

 

【立憲民主党】  

「1 億総中流社会」の復活を目指し、国民の可処分所得を増やして「国民のふところ」を温かくする政策に転換します。その柱として「減税・給付金」と「ベーシック・サービスの充実」を実現します。その財源は、富裕層や超大企業に応分の税負担を求めることで賄います。

 

【国民民主党】  

個人、事業者に対する税・社会保険料の猶予・減免措置を延長・拡充するとともに、コロナ禍の影響が収束するまで、事業者の消費税納税を免除します。

 

【日本共産党】

コロナ禍で浮き彫りになった日本の保健・医療の脆弱さの克服をはじめ、社会保障の抜本的な拡充を、消費税に頼らない財源を確保して、進めていく。

気候危機打開に向け、脱炭素、省エネ、再エネの利用を促進するため、国際的に低い水準にとどまっている炭素税の見直しをはかる。

 

【日本維新の会】 

我が党は、経済成長と格差解消を実現するため、公平な税と保険料の徴収、徹底した行財政改革、成長戦略による税収増を財源に、保険料の仕組みで維持ができない制度は整理統合をして、給付付き税額控除またはベーシックインカムの制度へと大胆につくりかえる日本大改革プランを提案している。

 

【社会民主党】

税金には主に①公的サービスの財源を調達する、②所得や資産を再分配する、③景気変動を小さくして経済を安定化させる、などの機能がありますが、この間の新自由主義的な政策のなかでその役割が弱まっています。所得課税の累進(所得が多いほど税率が高くなる)性は弱まり、法人税率は下がり続けています。社会保障財源とされた消費税の増税分の多くは企業減税や富裕層の減税の穴埋めに使われています。公平な税制改革を断行することが今こそ必要だと考えます。

 

【れいわ新選組】

消費税廃止とともに重要なのが、全国一律最低賃金1500円(中小零細には政府が補償)と、教育無償化、そして社会保険料の負担構造の見直し(累進度を強める)です。また、生活保護を受けるべき人が確実に受けられるように捕捉率を向上させるとともに、いわゆる水際作戦(門前払い・扶養照会)をなくし、生活保護の単給(バラで受けられる)を実現するなどの包括的な「生活保障法」を制定すべきと考えます。

 

以上

 

 

シェアよろしくお願いいたします。!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次